1930年代、ロシアの心理学者アレクサンドル・ルリヤがウズベク地方で行ったフィールドワークです。
ⅰ、(北)極地方の熊はみんな白い色をしています。
ⅱ、ノーバヤ・ゼムリヤーは(北)極地方にあります。
ⅲ、ノーバヤ・ゼムリヤーの熊は何色ですか?
(ウズベクの農民)
「わからないなあ。黒い熊しかみたことないからなあ。」
(ウズベクの農民)
「わからないなあ。見たことがないものは答えようがないよ。」
別にこういう問いも行いました。
キツネとウサギと魚(だったと思います)がいます。これを二つの仲間に分けてください。
(農民)
「ウサギと魚が仲間でキツネだけが違う。理由はウサギと魚は食べられる。キツネは家畜を襲うわるいやつだ。」
現代んの知能テストを行なえば彼らは間違いなく知能の境界線かそれ以下になると思います。
しかし彼らは知的に問題があるわけではありません。
知能テストが何を測っているいるのかという問題にもつながりますが、知能テストは一部の能力しか測ることはできません。
彼らは認知能力と非認知能力とでいえば非認知能力はむしろ高いかもしれません。
でも現代社会においてはこれを放置しておくわけにはいきません。まさかとは思いますがウズベクの農民のような思考では現代社会においては落伍者になりかねません。
幼児期はとりわけ非認知能力が重要で、気付きや発見は幼稚園でも従来から重視してきたものです。幼児期は非認知能力をのばすべきで認知能力はその中で勝手に育っていくものだという論調がありますが、実際の保育に落とし込むと認知と非認知を分けることは存外に難しい。
非認知能力礼賛は(従来の)教え込み教育の反省とこのままではグローバルスタンダード(実は欧米スタンダード)に適応できないというあせりから生まれてきたもののようですが、日本でもそもそも多くの幼稚園は教え込み教育を行っていない。
日本の幼稚園の教育は世界的にみてもそんなに悪くないと思うのですがいかがでしょう。
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