今回の静岡の園児死亡事故について、保護者の方もずいぶん心配しておられるようです。ご心配はごもっともなので私が把握している限りの事柄の顛末を記載して当園の対応をお知らせいたします。
顛末
・本来のバス運転手が休みで不慣れな園長(70代)がバスを運行した。
・バスの添乗員は70代の派遣社員だった。
・その園ではタブレットで登園欠席の管理をしてタブレットを持ってバスに乗ることになっていた。
・当該園児については登園の記載がなかったが、副担任が「連絡忘れだろう。遅れてくるのではないか。」と話していた。
・(バスで)添乗員は当該園児を含めて6名の乗車があったのでタブレットで乗車の項目をチェックした。
・降車時、本来はタブレットで一人一人降車を確認することになっているが、添乗員が子どもの顔をよく覚えていないのでチェックすることなく、また人数も確認せずに本当は5名しか降りていないのに全員降車にチェックした。
・添乗員も園長もバス車内をチェックしなかった。園長はチェックは添乗員がするものだと思っていた。
・(クラスで)当該園児が登園していないことは担任も副担任も認識していたが「きっと欠席なのだろう」と思い、特に職員室等に問い合わせることはしなかった。
事故に至るまでの要因は様々あるでしょうが、同業者として同じような事故を繰り返さないように細心の注意を払う必要があると考えています。
運転をする人はご存じだと思いますが、ハインリッヒの法則というものがあって、一つの重大事故の裏には30の表ざたにはなっていないが類似の事故があり、さらにその向こうには300のヒヤリハットがあるのだそうです。安全運転管理者講習で毎回耳にタコができるほど聞かされます。
当園の対応ですが、バスコース終了後はバスコースの添乗教員が車内を消毒しながらチェックして同時に忘れ物がないか確認しております。その時点で子どもが車内に子どもが残っていればわかります。更に運転手さんが車内の清掃を兼ねてチェックします。忘れ物は残っていないのに運転手さんが「こういうものが残ってましたよ」と持ってこられることもあります。
園へのお手紙などを確認し、登降園などが記載と違う、あるいはあまりないことですが連絡なしに欠席している場合は職員室に連絡します。
ただどのような対策をとっても事故を完全に防ぐことはできません。
今回の事故を起こした園を弁護するつもりはありませんが今回の件は日本社会の縮図をみているようで身につまされます。
70代の園長とこれも70代の派遣社員の添乗員。未曽有の少子化とそれと裏腹な異常な人手不足。
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